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Tシャツかぶれの原因の塩化ジデシルジメチルアンモニウムとは?

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9月10日、11日に神奈川県茅ヶ崎市で開かれた「スタンドアップパドルボード(SUP)」の国際大会で配布されたTシャツによって約30人の選手らがかぶれなどの被害を受けた事件のその後の情報です。

本大会の主催者「NPO法人 スタンドアップパドルユニオン」は、塩化ジデシルジメチルアンモニウムという化学物質がかぶれの原因の可能性があると発表しました。

この、塩化ジデシルジメチルアンモニウムという化学物質、聞きなれない名前ですよね?

この化学物質がどのような用途で使用される薬品なのか、かぶれなどの症状が出た場合の治療方法について調べてみましたのでご紹介したいと思います。

目次

塩化ジデシルジメチルアンモニウムとは?

一度見ただけでは覚えられなさそうなこの化学物質、どのような目的で使用される薬品なのでしょうか?

主な用途

塩化ジデシルジメチルアンモニウムは主に殺菌や消毒のために使用される薬品です。

家畜の体や家畜舎、搾乳器具(牛の乳を搾る器具)やふ卵器具など、消毒や殺菌を行う対象や用途に応じて50~3,000倍に薄めて使用します。

また、木材が腐ることを防ぐため(木材防腐剤)やシロアリを防ぐため(防蟻剤)にも使用されます。

安全性の問題から人に対して直接使用することはありません。また、食品に対する使用も厳しく制限されています。

なぜTシャツに?

なぜTシャツに塩化ジデシルジメチルアンモニウムが含まれていたのでしょうか?

今回の事件で配布されたTシャツはポリエステル製だといいます。

ポリエステル製のTシャツは綿のTシャツに比べて、Tシャツに印刷を行った際に綺麗に色が出ません。例えば黒は、灰色のような色合いになってしまいます。

ポリエステルのTシャツでも、鮮やかに綺麗に印刷できるようにするのが前処理というもので、この処理に使用される前処理剤という薬剤に塩化ジデシルジメチルアンモニウム(が含まれている薬品)が使用されていたようです。

この前処理剤は水で薄めてTシャツへ塗布したあと熱処理で乾燥させて使用するものらしいですが、Tシャツに印刷を行った会社によると、今回の場合はちゃんと乾いていなかった、ということです。

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人体への影響

塩化ジデシルジメチルアンモニウムが人の皮膚に触れた場合、どんな症状を引き起こすのでしょうか?

化学熱傷の怖さ

下は塩化ジデシルジメチルアンモニウムの安全データシートからの抜粋です。

安全データシートとは化学物質の危険有毒性情報を記載した文書のことで、化学物質を製造するメーカーは化学物質に必ずこの文書を付けています。

危険有害性情報
  • 飲み込むと有害
  • 重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
  • 眠気又はめまいのおそれ
  • 水生生物に非常に強い毒性
注意書き
  • 環境への放出は避けること。
  • 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
  • 飲み込んだ場合: 口をすすぐこと、無理に吐かせないこと。
  • 眼に入った場合: 水で数分間注意深く洗うこと。
  • コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄は続けること。
  • ばく露した時または気分が悪い時は、直ちに医師に連絡すること。

何やら恐ろし気な言葉が並んでいますよね?

重篤な皮膚の薬傷と書かれていますが、これがかぶれやけどのような状態(化学熱傷)のことです。

実際に被害に合われた方の症状を見ると、単なるかぶれとは異なるヒドイ状態に見えます。

治療方法

このような化学薬品によって、かぶれややけどのような症状が出た場合どうしたら良いのでしょうか?

上で引用しました安全データシートにもありましたが、まず流水で洗い流すことです。

ただし、これはあくまでも応急処置であり、十分に流水で洗浄した後は、必ず専門医師の診断を受け治療してもらうことが大切です。

また、症状が広範囲だったり、皮膚の深い部分にまで及んでいる場合は、救急搬送して治療してもらうことが必要だということも覚えておきましょう。

まとめ

本記事では、茅ヶ崎で起きたTシャツによるかぶれ事件の原因が塩化ジデシルジメチルアンモニウムらしいという発表を受けて、

  • 塩化ジデシルジメチルアンモニウムがどんな化学物質なのか
  • なぜTシャツこの化学物質があったのか
  • 塩化ジデシルジメチルアンモニウムへの人体への影響

についてご紹介しました。

今回の事件で被害に会われた方が早く快復するようお祈り申し上げます。

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