街中にそびえるように建つタワーマンション。
堂々としたその姿は見るものを圧倒しますし、高層階からの見晴らしもとても良さそうです。
あんなマンションに住んでみたいな、と憧れている人も多いのではないでしょうか。
政府はこのタワーマンションにかかる税金(固定資産税)を、高層階となるほど高くなるよう税制を見直すことを決めました。
どうして高層階ほど高い固定資産税に変更するのでしょうか? また、税制が変更されるのはいつからでしょうか?
追記
2016年11月27日に、もう少し具体的なったタワーマンションの固定資産税の変更に関する情報を追記しました。
高層階ほど高税率とする理由
マンションの固定資産税はどう決まる?
マンションの固定資産税はどのように決まるのでしょうか。
まず、建物の価格(時価)やマンションが建つ土地の公示価格などを参考にして1棟全体の評価額を計算します。そして、この評価額を床面積の割合に応じて各戸の税額を計算します。
つまり、広さが同じなら階層が1階でも最上階でも同じ税額となるんです。
同じ税額が不公平感を生む
でも、マンションは、通常は高層階の方が高いですよね?
高層階は、素晴らしい眺望を楽しむことができるし、また地表近くの喧騒からも(ある程度)逃れることができるという特別な「環境」にあります。
そのため高層階はほかの階層よりも人気が高く、価格もずっと高いのが普通です。
私の住む地域にも高層マンションが1棟ありますが、分譲が始まってすぐに高層階は売れてしまいました。聞くところによると1億に近い価格のところもあったといいます。そんなマンションが真っ先に売れてしまうなんて驚き以外の何ものでもありません。
低層階に住む人たちから見れば、高層階に住む人たちはずっと高い価格で購入しているのに、払う税金が自分たちと同じということになり、不公平ではないかという不満の声も聞かれます。
タワーマンションが節税対策に利用されている
タワーマンションの高層階の税金は、低層階に比べる相対的に安いことになります。
このことを利用して、富裕層が高層階を購入することで相続税の節税対策に利用する動きが広がっているのだそうです。
土地や建物(マンションも)を相続するとき、その課税額は固定資産税の評価額から計算されるためです。
マンションにかかる相続税が低層階と同じでありながら、高層階の価格の高いマンションを相続することができるわけです。
[adSense]
タワーマンションの税金はどう変わる?
階層によって変わる税率
見直しによって、地方税制を改正され高層階ほど税の負担が重くなる予定です。
マンション全体の税額は変わらないので、これまでと比べ、高層階の所有者は税金が増えることになりますが、低層階の所有者は逆に減税になるようです。
低層階の税負担が減るのは、なかなか売れないことがある低層階の販売にとってもプラスに働くかもしれませんね。
対象となるマンションは、今後新築される20階建て以上(高さ60メートル以上)のマンションとなる方向で検討されます。
ということは、現在すでにタワーマンションに住んでいる人には関係のない話しになるんでしょうか。
税金はいつから変わる?
年末にまとめる2017年度税制改正大綱に盛り込んで、2018年1月からの施行を目指す、という事なので、まだまだ先の話しになりそうですね。
追記: 40階建てで最大10%の差
11月27日、政府はタワーマンションの固定資産税の見直しについて、1階ごとに税額を段階的に引き上げる方向で検討に入りました。
40階建てのマンションでは、最上階は1階よりも10%ほど税額が高くなる見込みです。
例えば、現在40階建てマンションの各戸の税額が年20万円だとすると、見直し後は1階が約19万円、1階上がることに金額は増えていき、最上階は約21万円となります。
また、1階と最上階の税額の差はマンションの階数が多いほど大きくなります。つまり、税額の差は50階建てのマンションは40階建てよりも大きくなり、30階建てのマンションは40階建てよりも小さくなります。
この新しい課税方式は、20階建て以上のマンションが対象とされる見通しで、平成30年度の課税から適用できるよう調整が進められています。
まとめ
タワーマンションの税率変更について、
- 構造改ほど高税率となる理由
- どのように変わるのか
- いつから変わるのか
についてご紹介しました。
高層階と低層階とで税負担が同じことに不満を抱く人たちにとっては良い税改正となるんでしょうけれど、富裕層から自分たちを狙ったものとして不満が出そうな気もしますね。
私自身は、高いところがあまり得意でないので、高層階はダメです。
それ以前に、経済的に買えないってこともありますが(苦笑
コメント