神戸新聞NEXTによると、11月18日、神戸大学海洋底探査センター(神戸市東灘区)が、九州の南にある「鬼海(きかい)カルデラ」で、「熱水プルーム」を5カ所で確認したということです。
「熱水プルーム」とは、熱く濁った海水が海底から湧き出たもので、その下でマグマが活動していることを表します。
つまり「鬼海カルデラ」の噴火に向けて、マグマが活動をしている可能性があるのです!
鬼海カルデラはいつ噴火するのでしょう? 噴火したとき、その被害の大きさはどのくらいなのでしょう?
鬼海カルデラの噴火
鬼海カルデラはどこに?
「鬼海カルデラ」とは九州の南方、種子島の西、屋久島の北、硫黄島や竹島のあたりの海底にあるカルデラです。
鬼海カルデラの名前は、昭和初期にこの海域を調査した地質学者の松本唯一によって、同海域の「鬼海ヶ島」にちなんで名づけられ提唱されたものですが、現在「鬼海ヶ島」がどの島なのかははっきりしていません(硫黄島、喜界島あたりであるとされています)。
熱水プルームと噴火の可能性
今回、神戸大学海洋底探査センターによって、鬼海カルデラに熱水プルームが発見されました。
「熱水プルーム」とは、海底に浸み込んだ海水がマグマによって加熱されて、再び海底から海水中に湧き出す現象を言います。
その温度は200~300℃もあります。また、pHは3~4の比較的強い酸性を示し、これは含まれている成分に因ります。
このような高温の海水が湧き出しているということは、海底のすぐに下にマグマが存在し活動していることを表します。
今回の調査では、少なくとも5カ所に、海底から数十~100m程度に湧き上がる熱水プルームが確認されました。
それではすぐに鬼海カルデラは噴火するのでしょうか?
調査を行った神戸大学海洋底探査センターによると、噴火の時期については、現時点では予測できないと言うことです。
噴火の時期を予測できるほどのデータがまだなく、また地震と同様にデータがあってもピンポイントでいつ噴火するという予測を出しにくい、ということもあります。
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噴火の規模と被害の大きさ
もし、鬼海カルデラが噴火したらどのくらいの規模になるのでしょうか?
最も最近の大きな噴火は、今から約7300年前に起きました。
その時の噴火の規模は、フィリピンのピナツボ火山の10~15倍、雲仙普賢岳の約100倍と言いますから桁外れです。
そのとき発生した火砕流は、海を渡って種子島や屋久島を焼き尽くし、薩摩半島にまで達したと言われています。
噴煙は3万kmの高さにまで達し、偏西風に乗った火山灰は東北地方にまで飛び、九州南部は厚さ60cmもの火山灰で覆いつくされたと言います。火山灰によって覆われた面積は約200万km2(日本の国土の面積の約5.4倍)にもなりました。
それでは、当時にこのあたりに住んでいた人達(縄文人)はどうなったのでしょうか。
火砕流が駆け抜けた地域の人々は、文字通り一瞬にして犠牲になったことでしょう。
また、火山灰が厚く降り積もった地域では、作物が育てられないなど生活に大きな支障がでたはずです。降り積もった火山灰の重さで住居がつぶれたりもしたでしょう。
もし、今現在、かつての鬼海カルデラの大噴火のような巨大噴火が起きたら、最大で1億人もの人が犠牲になるとも言われています。
このような噴火を「破局的噴火」と言い、まさに私たち人類、そして文化を破局に追いやるほどの大事件となります。
まとめ
本記事では、神戸大学海洋底探査センターが発表した、鬼海カルデラでの熱水プルーム確認のニュースに関連して、
- 鬼海カルデラとは?
- 鬼海カルデラの噴火と規模
についてご紹介しました。
鬼海カルデラは前回の大規模な噴火から7300年が過ぎています。
今回の調査結果が、海底でのマグマの活動が活発化を示しているのであれば、もういつ噴火が起きてもおかしくない状況にあると言っても良いかもしれません。
私は、できれば自分が生きている間には噴火してほしくないなぁ、などと自分勝手なことを考えたりしてます。
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