金正男氏がマレーシアのクアラルンプール空港で暗殺された事件で、その実行犯が逮捕されつつあり、少しずつ犯行の状況などが分かってきました。
本記事では、直接犯行を行ったとされる2人の女性について、現時点で分かっている情報をまとめてご紹介したいと思います。
実行犯は2人の女性
金正男氏暗殺の実行犯としてマレーシア当局に身柄を拘束されているのは、ドアン・ティ・フォン容疑者(28歳)とシティ・アイシャ容疑者(25歳)です。
ドアン・ティ・フォン容疑者はユーチューバー
事件直後の空港の防犯カメラに撮られた次の画像の女性が、ドアン・ティ・フォン容疑者です。
彼女はベトナム北部ナムディンの出身とされ、ベトナムのパスポートを持っていました。
犯行後、一度は空港からタクシーで逃げたものの、国外へ出るため再び空港へ戻ってきて逮捕された彼女ですが、その後、彼女についての情報は出てきていませんでした。
ところがドアン・ティ・フォン容疑者についての意外な情報が明らかになりました。
彼女は “アイドル的なユーチューバー” であり、動画をYouTubeに掲載していることが分かったのです。
次の動画は彼女が掲載した動画のひとつです。
彼女の「huong thu」というチャンネルには15ほどの動画が掲載されており、96人ほどの登録者がいます。
動画の内容は、何かを読み上げるだけのシンプルなもので、それほど人気を呼ぶものとは思えませんが、事件で注目されるようになったためか1万回以上再生されているものもあります。
北朝鮮の最高指導者の兄を暗殺しようとする者が、YouTubeに顔出しで動画を掲載するなんてちょっとヘンですよね。
シティ・アイシャ容疑者
もう一人の実行犯とされている女性がシティ・アイシャ容疑者です。
シティ・アイシャ容疑者は、空港の防犯カメラから割り出され、インドネシア大使館員による面会で確認の後、逮捕されました。
以下の画像は、彼女のfacebookからのものです(転載元は news.detik.com)。
金正男暗殺の犯行理由は?
どちらの女性も、金正男氏を暗殺しようとしたわけでなく、男性4人(共犯者と思われる)から話しを持ち掛けられ、イタズラのために行ったと述べています。
当初2人の女性は、特殊な訓練を受けた北朝鮮の工作員である、との情報も流れていましたが、2人の女性への調査が進につれて、どうもその線はなさそうな気配です。
日本テレビの取材によると、シティ・アイシャ容疑者は、先月実家に帰ったとき、義姉の「誰に頼まれて仕事をしているのか?」という質問に対して「日本人」だと答えており、実家にいるときにも男からよく電話があったようです。
シティ・アイシャ容疑者の話しから、
- 日本で放送するテレビ番組のために、金持ちの男性にイタズラをするよう依頼されていた
- イタズラの内容は、相手の頬を両手で触ったり、腕をつついたり、ソースをかけること
- 高い金を払っているのだから、放送される番組を見ようとするな、と男から言われていたこと
- インドネシアのショッピングモールで、先月「イタズラ」の撮影をして、日本円で8500円ほどの報酬を得ていたこと(予行練習なのか?)
などが分かっています。
金正男氏は空港当局に助けを求めた際に、液体を顔にかけられた、あるは布で顔を覆われたなどと言っていたとされています。
どうやら、彼女たちは騙されて、実際には何をするのか知らされずに、金正男氏に「イタズラ」をしかけてしまったように思えるのですがどうでしょう。
金正男氏は女性に対して優しかったと言われており、そのことを利用したのだとも言われています。
彼女たちに指示を出した共犯と思われる男性のうち、北朝鮮国籍の男性が逮捕されており、2人の女性への「暗殺依頼」について、事実が少しずつ明らかになっていくのではないかと思われます。
まだ捕まっていない共犯者たち
暗殺に関わったのは女性2人、男性4人と見られており、今日(2月19日)までに、女性2人と男性2人が逮捕されたと報道されています。
残る男性2人はすでにマレーシア国外に出てしまっているとの指摘もありますが、マレーシア当局は他にも共犯者がいるものとして調査をすすめています。
亡くなった金正男氏のためにも、すべてが明らかになり、早く事件が解決するよう望みたいですね。
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