九州新幹線「つばめ」や「ななつ星 in 九州」と言えば、鉄道ファンでなくとも知っている方は多いのではないでしょうか。
これらの電車・列車をデザインしたのが、インダストリアルデザイナーの水戸岡鋭治氏([birth day=’19470705′]歳)です。
水戸岡氏は、九州旅客鉄道(JR九州)や両備グループ(岡山)の車両デザインの他、駅舎や広告などのデザインにも携わり、国内外で高い評価を得ています。
今回は、水戸岡鋭治氏の経歴と、水戸岡氏の作った作品について鉄道車両を中心にご紹介します。
水戸岡鋭治(インダストリアルデザイナー)
水戸岡鋭治の経歴
名前: 水戸岡鋭治(みとおか えいじ)
生年月日: 1947年7月5日([birth day=’19470705′]歳)
出身地: 岡山県岡山市
職業: インダストリアルデザイナー
高校: 岡山県立工業高校 工業デザイン科インテリア学科 卒業
所属: ドーンデザイン研究所
水戸岡氏の実家は家具屋。家業を継ぐために工業校へ進学し、3年間でインテリアの基礎を学びました。
高校卒業後、約3年間、大阪のデザイン事務所で工業デザイン、グラフィックデザイン、インテリアデザインの仕事をします。
「○○デザイン」って言葉が3つも出てきましたが、これらの違いが良く分からない人もいますよね。簡単にまとめましたので、参考にしてください。
- 工業デザイン(インダストリアルデザイン)
- 工業製品のデザイン。工業製品とは、スマホ・時計やカメラ、テレビ・冷蔵庫などの家電製品、車やバイク・自転車の乗り物などを指します。
その後実家に戻り、実家の手伝いをしているとき、大阪のデザイン事務所からの紹介でイタリア・ミラノのデザイン事務所で働くようになります。
帰国後、1972年に東京でドーンデザイン研究所を設立します(株式会社としての設立は1975年)。
“ドーンデザイン研究所” の名前の由来は、水戸岡氏の小学校の頃のニックネーム「鈍治(どんじ)」だったことから。研究所の英語表記も「Don Design Associates」となっています。
なぜ、「鈍」を社名に採用したかについて、水戸岡氏は “鈍は、デザイン上でも大切なキーワードだと思っているから” と言っています。
鋭角より鈍角がいい。鋭角は折れてしまうけれど、鈍角は折れない。本当に美しいデザインは鈍角なんですよ。自然を見ても、良いものは良い鈍角をしているし、遠くから見て美しいものは鈍角です。日本機械学会誌 「メカライフな人々 No.24」
なるほど、確かに自然界には極端に鋭角にとがったものって少ないですよね。
デザイン研究所設立後、大成功を収めた「ホテル海の中道」のアートディレクションの仕事を経て、水戸岡氏は「アクアエクスプレス」(香椎線)を始めとするJR九州の鉄道車両のデザインに深くかかわっていくようになります。
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水戸岡鋭治の作品(鉄道車両)
水戸岡氏の手掛けた数々の鉄道車両を画像とともにご紹介しましょう。
JR九州 「アクアエクスプレス」
キハ58系を改造したジョイフルトレイン「アクアエクスプレス」。水戸岡氏が最初に手掛けた鉄道車両です。
車体は白い車体に3本の紺色のストライプという印象的な塗装がされており、これらは空と海をイメージしたものだそうです。
JR九州 787系「つばめ」
811系をベースに作成されており、濃さの異なるグレーのツートンカラーという落ち着いた塗装がされています。
「つばめレディ」と呼ばれる客室乗務員やビュッフェが人気を呼びましたね。
JR九州 883系「ソニック」
もっとも特徴的なのは先頭車両の「顔」でしょう。昆虫の顔のようにも見えるデザインは、子どもにたいへん受けました(私の子供もソニックが大好きでした)。
よく見ると車のフェンダーミラーのようなものも取り付けられており、それが触角のようにも見え、ますます昆虫っぽく見えます。
JR九州 800系新幹線「つばめ」
みなさんご存知の800系つばめです。
車体は白い地に細い赤ラインが入るという明るくクリーンなデザイン。内装は「和」をコンセプトとする独自のデザインで、木材がふんだんに使われているのが特徴です。
新幹線(というか鉄道車両)にはまったく興味のないカミさんが、800系「つばめ」を見るなり『これ、乗りたい!』と言ったほどで、他の新幹線にはない魅力があるようです。
JR九州 ななつ星 in 九州
発表当初から、大変な話題となっていた「ななつ星 in 九州」。
九州の各地を、車中に宿泊しながら巡るというこの観光寝台列車は、1泊2日でもひとり15万、旅館での1泊を含む3泊4日では最高95万円にもなるという高額設定にも関わらず、半年先までの予約でいっぱいという人気ぶりです。
車両の構成は、「ななつ星 in 九州」仕様に外観を変更した電気式ディーゼル機関車DF200型が、専用の77系客車7両ををけん引するものとなっている。
客車内は、豪華!のひと事。一生に一度でいいから、こんな列車に乗って旅をしてみたいものです。
まとめ
本記事では、鉄道車両のデザインを手掛ける水戸岡鋭治氏の経歴とその代表的な作品についてご紹介しました。
水戸岡氏は、記事で紹介した車両の他にも数多くのデザインを手掛けており、特に九州や岡山では知らず知らずのうちに氏のデザインした鉄道を利用していることが多いのではないでしょうか。
氏のデザインした鉄道車両は人気を集め、地域の活性化に大きく貢献していると聞きます。
今後も、人々をあっと言わせるようなアイデアの鉄道車両が水戸岡氏によって発表されることを楽しみにしたいと思います。
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