日本でポケモンGOの配信が開始されてから6日が経ちました。
スマホをやや高く掲げ、スマホ画面を注視しながら歩くという、明らかにポケモンGOをしていると分かる人たちが、街中で普通に見られるほど、プレイヤーの数は増えました。
これほどのヒットアプリを開発したのは、任天堂でもポケモンカンパニーでもなく、実はアメリカの企業Niantic(ナイアンティック)社です。
私たちにはこれまでほとんど馴染みのなかった、このNiantic社とはいったいどんな会社なのでしょう?
Niantic社の歴史
Niantic社は、John Hanke(ジョン・ハンケ)が設立したGoogleの社内スタートアップでした。
2015年8月、Googleが新しく設立するAlphabetの傘下に入るのと同時期に、別会社として独立し名称がNiantic LabsからNiantic, Inc.に変わりました。
John Hankeは、Google Earthの前身であるKeyholeの共同設立者であり、またGoogle ストリートビューやGoogle マップの開発にも携わった経歴の持ち主です。
- 社内スタートアップとは
- ごく大雑把に言えば、革新的なアイデアなどをベースに、短期間で新しいビジネスモデルを開発する人々の集まりをスタートアップと言い、それを企業内で行う場合を“社内スタートアップ”と言います。
Nianticが作ってきたモノ
社内スタートアップ時代から、Niantic社はどのような事を行ってきたかを、Wikipediaの情報を引きながら見てみましょう。
2012年9月 | Field TripのAndroidアプリをリリース。 これは付近の面白そうな場所を探すという、最初のサービスでした。 |
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2012年11月 | IngressをAndroid専用の拡張現実ゲームとしてローンチ このときは招待制でした。 |
2014年7月 | iOS版のIngressをリリース |
2015年9月 | 株式会社ポケモンの新プロジェクトPokémon GOに参加 Niantic社はプログラム開発を担当 |
2016年7月6日 | アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドで、Pokémon GOのサービス開始 |
2016年7月22日 | 日本でポケモンGOのサービス開始 |
Ingressとは
Ingressはこの世界を舞台にした壮大な陣取りゲームと言うことができます。
プレイヤーは2つ陣営のどちらかに属し、Googleマップ上に表示されるポータルと呼ばれる陣地を取り合い、自分の属する陣営の勢力範囲を広げて行く、というのが目的です。
そして、これを可能にしているのが、GoogleマップとGPSによる位置測定の技術。ゲームフィールドを現実の世界に重ね合わせ、あたかもこの世界でプレイしているように見せているのですね。
これが拡張現実(AR; Augmented Reality)です。
このような特徴からIngressは、拡張現実を使用したオンライン・位置情報ゲームと呼ばれています。
IngressとPokémon GO
ポケモンGOも、拡張現実を使用したオンライン・位置情報ゲームです。
現実の世界を舞台にして、ポケットモンスターを捕獲しジムで戦い、自分のチームのジムを増やしていく。
Ingressにはモンスターの捕獲に相当するゲーム要素はありませんし、スマホと連動するPokémon GO Plusのようなハードウェアもありません。しかし、基本的なコンセプトを見ると、両者はよく似ていると言えます。
株式会社ポケモンの代表取締役社長の石原氏は、Ingressとポケモンに共通点を見出し、ポケモンの新しい世界が構築できると思った、新プロジェクトポケモンGOの発表会で語っています。
また、Niantic社のJohn Hanke氏も、ポケモンとIngressの良いところを融合させ、ポケモンのもたらしてきた体験を現実世界に持ち出すことをテーマとしている、とも語っているんですね。
両者の発言からIngressとポケモンGOが似ていてるのも納得できます。
Niantic社のこれから
ここからは予想になりますが、おおよその方向は見えています。
Niantic社は今後も、拡張現実(AR)を使用したアプリケーションを開発し提供していくと思われます。なぜなら、拡張現実の市場はまだまだ大きくなると予想されているからです。
2020年における収益予想では、仮想現実(VR)が3兆円、拡張現実(AR)が14兆円になると言われている。
将来、新しく提供されるサービスががゲームなのか、それ以外なのかは分かりません。
しかし、IngressやポケモンGOのように、私たちが夢中になるような素晴らしいサービスを拡張現実というインターフェイスを通して提供してくれるのは間違いないと思っています。
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