訃報です。
先月末に、体調を崩し入院していた野際陽子(のぎわ ようこ)さんが、入院先の病院で6月13日に亡くなっていたことが分かりました。81歳でした。
関係者によると、すでに葬儀は済ませたということです。
晩年、野際さんがかかっていた病気や死因、そして現在出演中のドラマ『やすらぎの郷』の今後についてまとめてみました。
女優「野際陽子」の闘病と最期
野際陽子の病気
野際陽子さんは、2014年の『花嫁のれん』(フジテレビ系)に出演していたときに肺がんが見つかりました。幸いにも、早期発見だったため治療はうまくいきました。
ところが、翌2015年に肺がんが再発し、同年の4月に腫瘍の摘出手術を受けます。腫瘍とともに肺の一部を切除することになり、肺の大きさが小さくなってしまったため、呼吸がだいぶ苦しそうだったと言います。退院するときは酸素吸入器が必要な状態だったそうです。
退院後も治療は続きます。
2015年夏に、抗がん剤治療を始めると効果が出はじめ、徐々に回復していきました。酸素吸入器も要らなくなり、治療と経過観察の検査を受けるため、都内の大学病院に定期的に通っていたそうです。
野際陽子の死因
野際陽子さんの死因は、肺腺がん、と伝えらえています。当時、詳細は明らかにされませんでしたが、2014年にかかった肺がんが肺腺がんだったと思われ、それが再発したとみられています。
肺腺がんは、
- 気管支の末端部分にできることが多い
- タバコとの関連性が小さい
- 自覚症状がないことが多い(初期)
- 女性に多い
のような特徴をもつ肺がんです。
一般に、肺腺がんは、化学療法(抗がん剤による治療)が効きにくいと言われています。野際さんの場合は抗がん剤が体に合ったのか、2015年の治療のときは目覚ましい効果がありました。多くの方が体力低下し、ときには治療を続けられなくなることもある抗がん剤治療を野際さんは、とてもよく頑張ったと言えます。
しかし、5月末に緊急入院したときは、野際さんはすでに状態が良くなかったようです。週刊誌の記者が、野際さんの病状を家族(野際さんの実弟)に聞いても、容体については話してもらえなかったそうです。
81歳という年齢ということもあり、治療することができなかった、あるいは治療を拒否していた可能性もあります。
野際さんは、6月13日の午前8時5分に、都内の病院において、娘の真瀬樹里さん、親族やスタッフに見守られて息を引き取ったそうです。
15日に葬儀は密葬で終えており、また「お別れの会」のようなものは本人の希望で行わない、ということです。
[adSense]
ドラマ『やすらぎの郷』はどうなる? 代役は?
野際陽子さんは、テレビ朝日の『やすらぎの郷』に出演していました。主役である菊村栄(石坂浩二)の妻・律子の親友である井深涼子役で、重要な役どころを演じていました。
野際さんが亡くなった後、『やすらぎの郷』はどうなるのでしょうか? ストーリーの変更したり、代役を立てたりするのでしょうか?
聞くところによると、“このような場合” のことを考えて、『やすらぎの郷』は脚本が作られているらしいのです。
“このような場合” とは、途中で俳優や女優が亡くなる場合のことです。どういうことかと言うと、出演している俳優・女優を見てみれば分かります。主だった役者さんとその年齢をあげてみます。
- 石坂浩二、75歳
- 浅丘ルリ子、76歳
- 有馬稲子、85歳
- 加賀まりこ、73歳
- 五月みどり、77歳
- 藤竜也、75歳
- 八千草薫、86歳
- 山本圭、76歳
どうでしょう? 錚々たる役者さん出演してることに驚きますが、その年齢にも驚きますよね。リアル老人ホーム状態なのです。
役者さんが体調崩してドラマを続けられなくなったり、今回のように亡くなったりする場合のことを予め考慮してある、ということらしいのです。
ということは、野際さんの演じる井深涼子には代役は立てられず、脚本の小修整でこのままドラマは続いていく、と考えて良さそうです。
撮影完了していた『やすらぎの郷』(追記:6月17日)
野際陽子さんが出演していた『やすらぎの郷』ですが、野際さんのシーンはすべて撮り終えていたことが分かりました。
サンケイスポーツの報道によると、“鼻にチューブをつけるなどして熱演し、最後まで女優魂を披露。予定されていたシーンはすべて撮り終えていた” とのことです。
野際さんは自身の体調の悪化から先のことを予見していたのでしょうか。
脚本を担当している倉本聰氏から、体調を考慮してジョギングのシーンを書き換えようとしたら、野際さんから「やりたい」と申し出があったというエピソードも明らかにされています。
野際さんは、最後の最後まで「役者魂」を貫いていたんですね。
野際陽子さん、長い間お疲れさまでした
野際陽子さんをテレビで初めて見たのは、子どもの頃に放送していた『キーハンター』でした。『キーハンター』の放送から50年近く経つので、私が観たのは、もしかしたら再放送だったかもしれません。
いつも「理知的な美人」の印象があり、多くのテレビドラマや映画で活躍してきた野際陽子さん。
野際さん、おつかれさまでした。安らかにお眠りください。
コメント