山本篤(やまもとあつし)さん(34歳)は、現在日本における陸上義足選手で唯一のパラリンピックメダルホルダーです。
8年前のパラリンピック北京大会では走り幅跳びで銀メダルを獲得したものの、ロンドン大会ではまさかのメダル獲得失敗。
今年のリオ大会ではメダル獲得に向けて万全の態勢で臨みます。
山本篤がロンドン大会でメダルを逃した理由
山本篤さんは、高校生2年のとき原付きバイクの事故で左足の太ももから先を失ってしまいます。
その後、義肢装具士を目指して福祉系の専門学校に入り、山本さんはここで競技用の義足と出会いました。
この義足を使って、病院の主催するリハビリのための陸上大会に出場してみると、感激するほどうまく走れたと言います。
そして、日本パラ陸上競技連盟に加入するとさまざまな大会に出るようになります。大会では順調にを記録を伸ばし、専門学校を卒業すると大阪体育大外に入学します。
大阪体育大学では科学的なトレーニングを行いさらに実力を伸ばし、パラリンピック北京大会で走り幅跳び銀メダル、100m5位の成績を収めます。
余裕でメダル獲得と思われたのに
もともとスポーツ万能であった山本さんは、パラ陸上においてもメキメキと実力を付けていきました。
2012年のパラリンピックロンドン大会では、世界ランキング1位で走り幅跳びに挑みました。山本さんは「自信はあった」と言います。
外国選手が早い段階で良い記録を出す中で、山本さんはなかなか力を発揮できずにいました。
調子が悪いわけでもない、6mだって飛べる力がある。なぜ記録が出ないのか?
その理由は最後まで分かりませんでした。
結果は予想外の5位と言う成績です。
[adSense]
山本篤の秘策とは
ひしめくライバルたち
山本さんは、2015年10月に行われた世界選手権では優勝、2016年5月の日本選手権では世界記録を樹立し、着実にレベルアップしてきました。確固たる自信もついてきたといいます。
しかし、世界のライバルたちも同様に、リオ大会に向けレベルアップしてきています。
山本さんが世界記録を樹立した後のひと月後、ダニエル・ヨルゲンセン(デンマーク)が山本さんの記録を11cm上回る6m67㎝を飛んで、あっさりと世界記録を更新します。
さらに、2016年8月に行われたドイツ国内の大会で、ハインリッヒ・ポポフ(ドイツ)は6m77㎝を飛んでいます。
山本さんは7月に行われたグランプリファイナルで6m62㎝を飛び、自身の記録を更新するなど調子を上げてきていますが、ライバル選手に勝つことはできるのでしょうか?
「浮く感覚」で大跳躍
実は5月の世界記録を出したときにちょっとした発見があったそうなのです。
それは踏み切る際に、踏み切る義足へこれまでとは違った重心の乗せ方で跳ぶと「浮く感覚」で跳躍でき、このとき記録がでることが分かったというのです。
実際に7月のグランプリファイナルでは、そのことを意識して跳び、記録を伸ばすことができました。
それから約2か月、おそらく山本さんはこの「浮く感覚」で確実に跳ぶことができるよう調整してきていると思います。
走り幅跳びは6m70㎝~6m80㎝がリオ大会での優勝争いの記録になると山本さんは予想していますが、ぜひ山本さんにはこのレベルの優勝争いをしてもらいメダル獲得を実現してほしいですね!
山本篤の経歴
生まれ | 1982年4月19日(34歳)、静岡県掛川市 |
---|---|
サイズ | 身長 167㎝/体重59kg |
所属 | スズキ浜松アスリートクラブ |
クラス | T42クラス |
成績
2008年 | 北京パラリンピック | 走り幅跳び 銀メダル 100m 5位 |
---|---|---|
2011年 | IPC世界陸上競技選手権 ニュージーランド | 100m 銅メダル 200m 銅メダル 走り幅跳び 銅メダル |
2012年 | ロンドンパラリンピック | 走り幅跳び 5位 100m 6位 200m 8位 |
2013年 | IPC世界陸上競技選手権 フランス | 走り幅跳び 金メダル 100m 4位 200m 4位 4x100mリレー 4位 |
2014年 | アジア競技大会 韓国 | 走り幅跳び 金メダル 100m 金メダル 4x100mリレー 金メダル |
山本篤の出場種目
9/13(火) | 06:36~ | 4×100リレー | T42-47 決勝 |
---|---|---|---|
9/14(水) | 22:33~ | 100m | T42 予選 |
9/17(土) | 22:45~ | 走り幅跳び | T42 決勝 |
※ 日時は日本時間です。試合日時は変更になる場合があります。
まとめ
本記事では、山本篤さんについて
- ロンドン大会でメダル獲得を逃した理由
- リオ大会でメダル獲得するための秘策
- 経歴と成績
についてご紹介しました。
山本篤さんは勝負について、
やっぱり勝負は、勝つか負けるか、ギリギリのところでやるのが醍醐味
と言っています。
ぜひその醍醐味が味わえるような素晴らしい闘いを見せてください!
コメント