篠原風鈴本舗と篠原まるよし風鈴でのみ作られているという、江戸風鈴。
ガラス製の風鈴なんてどれも同じじゃん?
そんな風にも思えますが、「江戸風鈴」と名乗るからには何かほかと違ったところがあるはず。
本記事では、江戸風鈴とはどのような風鈴なのか、通販で購入できるのか、またその値段はどの位なのかについてご紹介いたします。
また、篠原風鈴本舗の4代目として、現代の江戸風鈴づくりに勤しむ篠原由香利さん(36歳)のプロフィールについても触れたいと思います。
篠原風鈴本舗と江戸風鈴
江戸風鈴の由来
4代目篠原由香利さんが働く篠原風鈴本舗は創業が大正4年(1915年)ですから、今年(2017年)でもう102周年を迎えます。
しかし、「江戸風鈴」を作るようになったのは、じつは比較的最近のこと、昭和40年ころのことなのです。
正確に言えば、作る風鈴そのものが変わったのではありません。それまで作っていたガラス風鈴とかビードロ風鈴と呼ばれていた風鈴を「江戸風鈴」と呼ぶようにしたのです。
江戸時代から受け継いできた技術によってつくられる風鈴を、2代目の儀治氏が「江戸風鈴」と名付けたのです。
篠原風鈴本舗のサイトにも書かれていますが、これはいわゆるブランド名なんですね。「江戸風鈴」は登録商標されており、儀治氏の許可なく「江戸風鈴」の名称を使うことができません。
初代篠原又平氏から技術を連綿と受け継ぎ、現在も風鈴づくりをしている篠原一門のみが「江戸風鈴」を作ることができるのです。
江戸風鈴とほかの風鈴との違いは?
江戸風鈴の他の風鈴との一番大きな違いは、限られた特定の製作者によって作られているかどうか、ということになりますが、風鈴の作られ方や外見からはどんな違いがあるのでしょうか。
ひとつは、熱したガラスを膨らませ丸くするときに型を使わない、ということです。これを宙吹き(ちゅうぶき)と言います。
型を使えば比較的容易に形を整えることができ、しかも大きさ・形のバラつきが少なくなります。これに対し宙吹きは難易度が高く、出来上がる風鈴は大きさや形、さらに音までもが一つひとつ微妙に異なります。
もうひとつは、風鈴の鳴り口がギザギザであることです。鳴り口とは文字通り風鈴の音が出る部分のことです(下記画像を参照してください)。
ここを滑らかにしてしまうと、滑って良い音が出ないのだそうです。
すべてが職人さんによる手作りで、同じ音がする風鈴はひとつとしてない江戸風鈴は、言ってみれば自分だけの風鈴を手に入れられるということですよね。
こんなところも江戸風鈴の「良さ」のひとつでしょう。
江戸風鈴の購入(通販)と値段
篠原風鈴本舗は江戸川区南篠崎町にあり、ここで江戸風鈴を購入することができます。
しかし、遠方の方は何かのついででなければ、風鈴を買いに東京まで出てくるというのは難しいでしょう。
そのような方は、支払い方法は代引きのみなのですが、通信販売が利用できます。
購入方法は、サイト上で画像を見て欲しい風鈴を決め、連絡先と風鈴の名前を書いてメールで送る、というものです。
江戸風鈴の値段は?
絵柄とは別に「小丸」、「特選小丸」、「ひょうたん」などの種類があり、値段はそれぞれ、1,836円、2,484円、2,700円となっています(いずれも税込)。
風鈴をかける卓上スタンドも売ってるんです。こういうものがあるって、私は知りませんでした。
左の鉄製のものが2,160円、右の竹製のものが4,860円です。
篠原風鈴本舗への行き方
直接、店に行って、実際に風鈴を見て買いたいという方のために、篠原風鈴本舗への行き方をご紹介しておきます。
最寄り駅は都営新宿線の瑞江駅か篠崎駅になります。若干、瑞江駅の方が近いでしょうか。どちらも、距離にして約1km、時間にして徒歩で13分くらいです。
4代目、篠原由香利
さて、ここからは篠原風鈴本舗の4代目、篠原由香利さんについてご紹介しましょう。
篠原由香利のプロフィール
名前: 篠原由香利(しのはら ゆかり)
生年月日: 1981年(36歳)
出生地: 東京
大学: 早稲田大学第一文学部卒業(1984年)
今年で創業102年になる老舗に生まれた由香利さん。職人に囲まれて育ち、幼いころから仕事の手伝いをしてきたそうです。
子どもの頃から職人を目指していたかというと、そうでもなく、9時に始まり5時に終わる職業に憧れていたと言います。
でも結局は大学を卒業すると、3代目の父・裕さんに師事することになりました。
「江戸時代からの伝統を受け継ぐ風鈴職人」なんて言うと、とても古風な感じがしますが、由香利さんは大のロックファン。旦那さんの公孝さんともロックのライブ会場で出会ったのだそうです。
風鈴に絵を描くとき、ロックファンらしくドクロ柄など “趣味全開” の風鈴もデザインしたりするそうですよ。ドクロ柄の風鈴… 斬新ですよね。
その他、新しいことにも積極的に挑戦しており、美術大学や円谷プロとのコラボをしてみたり、江戸切子の職人さんとコラボするなど、これまでになかったオリジナリティ溢れる江戸風鈴も作っています。
江戸風鈴をつくるもうひとつの老舗
じつは、篠原風鈴本舗以外に、もうひとつ江戸風鈴を作っている所があります。
それは、冒頭でも名前をあげましたが篠原まるよし風鈴、です。
篠原まるよし風鈴は、篠原風鈴本舗の2代目儀治さんの、次男・正義さんのお店なんです(長男は由香利さんの父・裕さん)。
篠原風鈴本舗と同じく江戸時代からの技術を受け継いだ風鈴づくりをしており、儀治氏の許可を得て「江戸風鈴」を名乗っています。
篠原まるよし風鈴では、昔の玩具ぽっぺん(ビードロ)や、江戸風鈴のイアリングやピアスなども作っています。
江戸風鈴のイアリングやピアスは、ちゃんと音がでるそうですよ(中には音が出ないものもあるそうですが)。
風鈴が欲しくなってしまった…
本記事では、老舗・篠原風鈴本舗の江戸風鈴とその4代目・篠原由香利さんについてご紹介しました。
昔、うちにもガラス製の赤い丸い風鈴がありました。少しでも風があれば涼し気な音が鳴るので、夏のあいだよく軒に下げていたものです。
しかし、台風が来たときにも下げっぱなしにしたため、あまりに強い風に風鈴は壊れてしまい、それ以来風鈴を買っていません。
昔ながらのデザインか、ウルトラマンの描かれた江戸風鈴を買ってみようか、などと考えています。
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