12月22日、東京ガスは『家庭用ガス機器に関する大切なお知らせ』として、関東6県で約45万件のガス栓を自主交換すると発表しました。
東京ガスによると、11月23日に都内の住宅において、システムキッチンの「引き出し型キャビネット」内でガス漏れが起きて、それに引火するという事故が発生しました。
原因は、「引き出し型キャビネット」内部に設置された「空気抜き孔付き機器接続ガス栓」に問題が見つかったとのことで、東京ガスは対象となる同型のガス栓を自主的に交換すると決めたようです。
本記事では、今回の東京ガスによるガス栓の交換の理由や、交換には費用がかかるのか、交換作業には依頼が必要か、いつから開始されるのかについてご紹介します。
東京ガスのガス栓交換の理由
都内で起きた引火事故は、ガス栓からのガス漏れが原因でした。
「引き出し型キャビネット」には、以下の写真のガス栓が内部に設置されています。
東京ガスがこのガス栓を調査したところ、次のような問題が見つかったということです。
- 何らかの原因で「ビス」外れてしまっていた
- ガスの栓が閉まっておりあず、「半開」状態になっていた
いずれも、ガス漏れを起こす原因となるものです。
なぜビスが外れていたのか?
じつは東京ガスは、以前からこの「空気抜き孔付き機器接続ガス栓」の問題を認識していました。
2006年には対象となるガス栓を設置した客への点検作業の実施、2011年にはガス栓の空気抜き孔のビスを取り外せないタイプへの交換作業も実施しています。
11月にガス漏れから引火した住宅にも、2012年8月に対策を行っていた言います。
対策の内容は、空気抜き孔のビスが緩まないよう接着剤を塗ってビスを締め、さらにビスの頭を切断することで、後からドライバ等でビスを外せない状態する、というものでした。
また、ガス栓がキャビネット内の中身にあたる状態で、何度もキャビネットの開閉を行ってもビスが緩まないことも確認していました。
かなり、念入りにビスが緩んだり、外れてしまうことの無いよう配慮していたことが分かります。
でも、それにも関わらずビスは外れてしまったのです。
東京ガスの調査によると、ビスを締め付ける強さのバラつきや、状況により接着剤の緩み防止の性能が低下することがあり、これらが「ビスが外れた」原因と考えられます。
なぜ栓が半開状態だったのか?
では、ガスの栓はなぜ半開状態だったのでしょう。
東京ガスは、こちらについては、現在のところ原因について発表をしていません。
ガス栓は、ガスを使用する人が状況に応じて、開けたり閉めたりすることが可能です。
おそらく、考えられる原因としては次のようなものでしょう。
- 使用者がガス栓のつまみを正しい位置にしていなかった
- キャビネットの中身がぶつかり、つまみが回ってしまった
しっかり、定位置までつまみを回すことを行い、またキャビネット内でガス栓が物と当たらないようにしたほうが安心です。
ガス栓の交換費用や作業の開始日は?
対象となるのは、1991年9月から2004年1月までに、キャビネット内部に「空気抜き孔付き機器接続ガス栓」が設置されている「引き出し型キャビネットタイプ」のシステムキッチンを使用している人です。
今回のガス栓の交換作業は、東京ガスが自主的に行います。
ガス栓が交換対象となっている場合、交換作業に関して費用負担は発生しません。
交換作業については、準備が整い次第、対象となるガス栓の使用者宅を訪問し、「空気抜き孔」の無いガス栓に交換することになっています。
また、対象者には、ガス栓の使用上の注意についてのダイレクトメールも届くようです。
注意事項に従って現在のガス栓を使いながら、ガス栓の交換を待つということになります。
問い合わせ先
自宅のガス栓が交換対象なのかどうか心配な人もいるでしょう。
問い合わせ先に電話し、住所と名前を言うことで交換対象であるか調べてもらえるので利用することをお勧めしたいと思います。
フリーダイヤル | 0120-526-900 | |
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受付開始日 | 2016年12月22日(木) | |
受付時間 | 2017年2月28日(火)まで | 月~土曜日 9時~19時 日曜日・祝日・12/31~1/3 9時~17時 |
2017年3月1日(水)以降 | 9時~19時(土曜日は17時まで) 日曜日・祝日・12/29~1/4 は除く |
まとめ
東京ガスの実施するガス栓の交換について、交換理由や、交換にかかる費用、交換作業の開始についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょう?
11月の引火事故ではすぐに火が消えて、人にも物にも被害はなく「火災」とはなりませんでした(消防から火災と認定されていない)。
しかし、これは運が良かっただけで、いつ大きな火災事故となるか分かりません。
できれば、自分の家のガス栓が交換対象かどうかを早めに知り、もしそうならば注意しながら使用するようにした方が良いと私は思います。
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