アメリカ航空宇宙(NASA)は、27日3時(日本時間)からの会見で、木星の衛星エウロパの表面から水蒸気が噴出していることを確認したと発表しました。
これが事実なら、土星の衛星エンケラドスに続いて、太陽系の中で水蒸気を噴出が確認された2番目の衛星ということになります。
水蒸気の確認
下の合成写真は、エウロパの写真にハッブル宇宙望遠鏡が紫外線で撮影した分光写真を重ねたものです。
時計の7時のあたりに、白く突き出たものが分かるでしょうか。これが、エウロパの内部から高さ160kmにまで噴き上がる水蒸気の噴出と思われるものです。
この噴き上がった物質は、おそらく雨のようにエウロパ表面に降り注いでいるとも考えられています。
NASAの公開した動画では、00:50 あたりに、エウロパ表面から噴き上がる水蒸気の想像図が出てきます。
どうやって発見したのか?
観測チームのもともとの目的は、エウロパが薄く広がった大気、あるいは外気圏を持っているかどうか観測することでした。
チームは、太陽以外の恒星を周る惑星が大気を持つかどうか調べるのと同じ方法でエウロパを観測しました。
その方法とは、もしエウロパが大気を持つならば、木星の前を横切るとき木星の光が少し遮られて、それはシルエットとして見えるだろう、というものです。
実際に10回ほどのチャンスのうち3回もこのような現象が確認されました。そしてエウロパ表面から噴出するものを見つけたのです。
NASAのハッブル宇宙望遠鏡で10回以上紫外線による観測を直接行ったところ、撮影された画像のうち3つに、水蒸気が噴出していると思われるものが写っていました。
[adSense]
エウロパへの今後の探査への期待
エウロパはその内部に、地球の約2倍もの量の「水」を蓄えた海を持っていると推測されています。
水蒸気の噴出が事実なら、エウロパへの新しい探査が期待できます。
何しろ、エウロパの表面に着陸して硬い氷の地面に穴を開けることなく、エウロパ近くを探査機で通過するだけで、内部の貴重な水のサンプルが手に入れられるのですから!
これなら探査機を飛ばさない理由がありませんね。
まとめ
発表内容が大方の予想通りとは言え、生でこのような発表を聞くときのドキドキ感がたまりません(笑)
それにしても、エウロパ表面から噴き上がる水蒸気、実際にどんな様子なのか見てみたいですね。
2018年に打ち上げられるジェームズ・ウェプ望遠鏡でもエウロパを観測するようですし、エウロパへの探査機打ち上げにも期待したいです。
コメント