ホンダが自動運転でグーグルと組んだ理由は?研究対象は何?

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12月22日、ホンダは自動運転技術関して米国のグーグルと共同研究を始める、と発表しました。

グーグルはすでに、「セルフドライビングカー」をネバダ、フロリダ、カリフォルニアの3州の公道で走らせる実験を行っており、この分野では最先端の技術を持っています。

ホンダは、自動運転の共同研究の相手として、なぜグーグルを選んだのでしょうか?
どのような研究を行っていくのでしょうか?

きょうの記事ではこれらについて解説していきます。

目次

自動運転でホンダとグーグルが共同研究

共同研究に関する発表

22日の発表によると、共同研究を行うのは、ホンダの研究開発子会社である本田開発研究所と、グーグルの持ち株会社アルファベット社(Alpha Inc.)の、自動運転研究開発子会社であるウェイモ社(Waymo)の2社で、米国において自動運転技術に関する共同研究に向けた検討を開始した、とのことです。

まわりくどい言い回しですが、「共同研究」を始めたのではなく、「共同研究」に向けて、研究内容や研究方法、研究に関わる両者の分担等について検討を始めた、ということですね。

方向としては、ホンダの提供する車に、ウェイモ社の開発したセンサーやソフトウェア、車載コンピュータなどを搭載して、米国内の公道で実証実験を行っていく、とうことになるようです。

ホンダは、「事故に遭わない社会」の実現に向けて、自動運転技術の研究開発を進めてきており、2020年頃に高速道路での自動運転の実用化を目指していました。

完全自動運転の実用化を目指しているウェイモ社との共同研究により、従来の開発に加えて、完全自動運転という領域にまで対象を広げ、異なる技術アプローチが可能となることが期待されています。

ホンダがグーグルを選んだ理由は?

グーグルの独走を許すな

いま、車業界でもっともホットな話題のひとつが、車の自動運転技術です。

グーグルは、2010年から自動運転に関する開発を始め、数年前から「Google セルフドライビングカー」を公道で走らせるなどの実験を通じて着実に成果を上げています。

今年に入って幾度かの事故があったものの、自動運転技術に関してはグーグルが最先端を行っていると言っても間違いではありません。

初めは、自動運転はそんなに簡単に実現できない、とグーグルの活動を傍観していた国内外の自動車メーカーも、「Google セルフドライビングカー」の完成度が思いのほか急速に高まってきているのを見て焦りだしました。

このままでは、グーグルに「自動運転技術」を独占されてしまうかもしれなかったからです。

キーとなる人工知能技術

自動運転に欠かせないキーとなるのが車の運転を行う「ソフトウェア」です。

走行しながら、車の周囲の情報を得て、判断を行い車を制御(運転)するソフトウェアがなければ自動運転は成り立ちません。

自動運転は、人間の代わりにソフトウェアが車の運転をすると言っても過言ではなく、中でもAI(実行知能)関連の技術が非常に重要になります。

自動車メーカーはこのようなソフトウェアの開発は残念ながらあまり得意ではありません。もちろん自社開発も可能でしょうが、開発が終わるころには市場には完成された自動運転車があふれているかもしれません。

やはり、不得意なところは得意な企業と手を組んで、というのが自然な流れですよね。

アウディ(VW系列)のように自社開発で頑張ろうとしているところもありますが、例えば、トヨタ自動車はマイクロソフトと提携しましたし、ナウト(NAUTO)という米国のベンチャー企業とも提携しています。

ナウトには、BMWも出資しており提携もしています。

日産自動車はアメリカ航空宇宙局(NASA)と提携しました。

そのほか、フォードはグーグル&アマゾン、フィアット・クライスラー・オートモービルズもグーグル、GMはクルーズ(IT企業)と提携しています。

ホンダとグーグルの共通点

グーグルは、現在、世界最大のIT企業と言って良いでしょう。

人工知能に関する技術でも群を抜いています。

今年、グーグルのAlphaGOという囲碁のソフトウェアが、プロ棋士に勝利したことはあなたも覚えているでしょう?

グーグルは、フォードやクライスラーなど、すでに複数の自動車メーカーと提携していますが、これはグーグルの技術力の高さや信頼性の高さを物語っているものと思います。

そして今回、ホンダが新しくグーグルと提携しました。

なぜ、ホンダはグーグルを提携先に選んだのでしょう?

すでに目ぼしい企業は、ほかの自動車メーカーと提携してしまっており、ライバルメーカーと同じ企業と提携できない、ということもあるかもしれません。

しかし、それだけではないと思われます。

ホンダとグーグルには意外な共通点があるのです。

それは、ホンダには、さまざま「技術開発」にチャレンジする先進的なブランドイメージがあります。これは、イメージだけでなくホンダの体質と言って良いと思います。

ホンダと提携したウェイモはベンチャー企業ですし、グーグルも(初めは)ベンチャー企業として出発しており、チャレンジするという体質にはホンダと共通するものがあります。

一緒に仕事するときの「仕事のしやすさ」のようなものを考えたとき、このような共通する体質をホンダは重要視したのではないかと思われます。

自動運転の世界連合?

なお、余談になりますが、12月19日の新聞報道で、世界経済フォーラム(WEF)が自動運転の世界連合を発足させたとありました。

自動車やIT、保険分野などの大手企業が27社がすることになっており、安全規格や運転ルールづくりを行っていくということです。

自動車企業では、トヨタをはじめ、日産、GM、VW、BMW、ボルバなどが参加しますがホンダの名前がありません。

IT企業では、エリクソン、クアルコムなどが参加しますが、グーグルは参加しません。

ホンダとグーグルは、「世界連合」に(今のところ)参加していないのが、ちょっと気になりますね。

まとめ

本記事では、ホンダとグーグルが車の自動運転技術に関して共同研究を行う、という発表に関して、

  • ホンダがグーグルと組んだ理由
  • グーグルの自動運転技術
  • 自動運転技術の世界連合

について解説しました。

乗り込んだら、行き先を告げるだけで、目的地まで行ってくれる車。

私が子供の頃には、まったくの夢物語でしかなかったものが、もう少しで実現するところまで来ています。

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