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光年とは?光日や光時はある?天文単位など宇宙を測る単位のまとめ

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ときどき目にする光年という言葉。これはいったい何を表しているのでしょう?

「年」が付いているから時間を表すのでしょうか?

だとしたら、「年」のほかに「光」に「日」や「時」の付いた「光日」や「光時」はある?

本記事では、宇宙を測る単位についてご紹介します。

目次

光年、光日や光時が表すもの

1光年とは光が1年かかって進む距離のことを言います。単位を表す記号はlylight yearの略が用いられます。

1光年が、光が1年に進む距離なら、1光日は光が1日かかって進む距離、1光時に光が1時間かかって進む距離ということになります。

光日光時は光年ほどあまり一般的ではありませんが、宇宙を舞台とするSF小説などに出てくることがあります。

この世界でもっとも速い光が1年間もかかって到達する距離ですから、1光年がとてつもない距離だということは分かりますが、まったく実感が湧きませんよね?

光年を身近な単位に直して考えてみる

ではまず、光の速度をおなじみの時速に直して考えてみましょう。

光は1秒間に約30万km進みます。つまり秒速30万km(300,000km/sec)です。これは学校で習ったので覚えているかもしれませんね。

これを時速に直すと1,080,000,000km/hr、つまり時速10億8千万kmになります。この距離はだいたい木星より少し遠いくらいの距離になります(木星までの距離は約7億5千万km)。

1光年の距離

1年を365日とすると、1年は 365 x 24時間 = 8,760 時間となります。これに先ほどの1時間に進む距離10億8千万kmをかけると、

8,760 x 1,080,000,000 = 9,460,800,000,000km

つまり約9兆4600億kmになります。

1光年をよく知っている距離の単位に直しても、やはり数字が大きすぎて実感がありませんね(^^;

その他の宇宙を測る単位

宇宙空間を測る単位は、光年の他にもあります。いくつか代表的なものを見てみましょう。

天文単位(Astronomical Unit)

天文単位とは地球と太陽の平均距離を単位にしたもので、1天文単位は149,597,870,700m(約1億5千万km)になります。

天文単位(Astronomical Unit)の各頭文字をとったauが記号として用いられます。「au」だけ見ると、大手通信キャリアのサービスブランドと勘違いしそうですね。

パーセク(parsec)

こちらは普段はあまり見ない単位ですね。主に太陽系の外の天体を扱うような天文学の分野でよく使用されます。

1パーセク(parsec)は年周視差が1秒角となるの距離のことです。

これでは何のことか分からないですよね。もう少し詳しく説明しましょう。

私たちが物を見るとき、左目で見るときと右目で見るときでは、物の位置がずれて見えます。これは左右の目が離れているためで、位置がずれて見える=視線の方向が異なることを「視差」と言います。私たちはこの視差によって、物までの距離を感覚的に測っているのです。

左右の目の代わりに、地球の公転軌道を利用して求めた単位がパーセクです。

パーセク説明図

© 理科年表オフィシャルサイト


図の年周視差1秒角となる天体と太陽の距離が、1パーセクと定義されています。

1パーセクは約3.26光年ですから、パーセクは光年よりももっと大きな単位なんです。

パーセクの綴りは、persecではなくparsecです。persecと書くと「毎秒」と言う意味になってしまいます。parsecは、parallax second(視差 角度秒)の略なんです。記号としてはpcが用いられます。

なぜ光年や天文単位を使うの?

これまで、光年、天文単位、パーセクという単位を見てきましたが、なぜこのような単位が必要なのでしょうか? kmを使うのではなぜダメなんでしょう?

理由は、宇宙空間はとても広いためkmでは数字の桁が多くなりすぎて大変扱いにくくなってしまうからなのです。

宇宙を測る単位が複数あるのは、測る対象の距離に応じて使い分けているためです。

たとえば、太陽系内の距離を表すときに光年やパーセクを使ったのでは、0.00… という小さな数値になってしまいます。

火星まで距離は1.5237au、木星は5.2026au、天王星は19.2184auのように天文単位を使用する方がずっと扱いやすいですよね。

同様に、太陽以外の一番近い恒星までの距離は約4.3光年ですが、これを天文単位で表すと271,937auとなります。

4.3光年くらいならば、まだ良いのですが、アンドロメダ銀河までは約250万光年、おとめ座銀河団まで約6千万光年と距離が遠くなると、天文単位に直したとき桁数が多すぎて扱いきれません。

このように宇宙の遠い距離を扱う場合は、光年やパーセクを単位とする方がずっと扱いやすいということが分かってもらえると思います。

宇宙は広い

本記事では、

  • 光年とは何を表す単位なのか
  • 光年の他に、宇宙を測る単位にはどんなものがあるか
  • なぜ宇宙空間専用の距離の単位が複数あるのか

について説明しました。

これらの説明が、あなたが天文関係のニュースや記事を読むとき、宇宙を舞台としたSF小説を読んだり映画を観るときの参考になれば嬉しいです。

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