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囲碁ソフトに負けた趙治勲とは?経歴やユニークな人柄を紹介!

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日本最強の囲碁ソフトDeepZenGOは、11月20日に行われた「第2回囲碁電王戦」第2局目で、趙治勲名人に勝ちました。

これで勝敗は1勝1敗となった訳で、興味は23日に行われる第3局に…

となるのが普通ですが、私はなぜか趙名人のユニークな風貌が気になって仕方がありません。

趙治勲名人がどんな凄い棋士なのか調べてみたら、確かに凄い戦績を残している方ですが、同時にユニークな方であることが分かりました!

本記事では、素人の目から見た趙治勲名人をご紹介したいと思います。

追記
11月23日に行われた第3局は、趙治勲名人がDeepZeGOに勝ちました。これで囲碁電王戦は、シリーズ2勝1敗で趙名人の勝利となりました。

目次

趙治勲名人とは?

趙治勲名人とはいったいどんな棋士なのでしょう?

趙治勲名人

経歴と戦績

出身地は韓国釜山広域市で、1956年6月20日生まれ(60歳)。

4歳で碁を覚えて1年余りでアマチュア高段位者並みとなり、11歳9か月でプロの世界に入りました。小学校5年生でプロ棋士になったなんて、漫画のような話しですね。

趙名人はどのくらい凄いか、強いかと言うと、

囲碁には七つのタイトル(十段、碁聖、天元、王座、本因坊、名人、棋聖)がありますが、趙名人のタイトル獲得回数は42期で、これは歴代1位です。2位の方が35期なのでこれは断トツと言って良いと思います。

そのほかの戦績をまとめると次のようになります。史上初や歴代1位のオンパレードです。

大三冠達成史上初大三冠とは、棋聖、名人、本因坊を同時に保持すること。
グランドスラム達成史上初グランドスラムとは、七大タイトルをすべて1回以上通算で経験すること。
本因坊位10連覇達成本因坊位の獲得数は12期で歴代1位
名人位歴代1位 
棋聖位歴代1位タイ 

ユニークな人柄

今でこそ、まるでアインシュタインのような髪型をしていますが、昔はこのような「好青年」っていう感じでした。

趙治勲 1984年
名人5連覇達成(28歳、1984年)

ずいぶんと様子が変わりましたね。

私が趙治勲名人に惹かれたのは、名人の仙人めいた風貌のためということもありますが、やはり名人の性格・人柄が突き抜けているからです(笑)

名人が、どれほど突き抜けているか、ご紹介しましょう。

独り言がスゴイ

趙名人は、対局中によく独り言(ぼやき?)をいうことで有名です。

たとえば、

  • ヘボちゃんですねぇ、まったく
  • あほちゃいまんねん、パーでんねんか
  • 迷うなぁ。迷える子羊ちゃん
  • どこへ石がいくんだろうな

などなど。

小林光一によると、趙名人の独り言はリズムをとるためのもので、自分が優勢か劣勢かには関係がなく、独り言の内容も当てにならないということです。

目の前で、対戦相手がこんなことを言っているの聞き続けていると、こちらの調子が狂いそうですよね。あ、もしかしたら、それが狙いなのかもしれませんね。

持ち時間ギリギリで打つ。時には時間切れも

集中しすぎるのか、ときどき持ち時間を使い切ってしまうことがありました。

自分を追い込むため、持ち時間をわざと使い切るという荒業を使ったこともあります(1996年のNHK杯)。

しかし、自分の手番であることに気が付かず、時間切れとなり負けとなることもあったようです(2002年、王座戦)。

あるいは、対局中に意識が朦朧として、時間切れ間近まで気が付かず、「あれっ? えっ? きっ、切れちゃった? 切れちゃってないよね? あいたたた ぼ~っとしちゃったなぁ」などこぼしたことも(2014年、NHK杯)。

碁に対する厳しい姿勢(?)

対局中、自分が打った手が悪いことに腹を立てて、脇息(きょうそく、肘を置いて体をもたせかけるもの)を投げてしまったことあります。

また、自分の頭や頬を叩いたり、髪の毛をかきむしる癖があります。それで、いま髪があんな状態なのでしょうか…。

対局中に、見学中の日本棋院院生の私語に腹を立て(?)、ペットボトルを投げつけたりもしました。ペットボトルが飛んできた院生はさぞビックリしたでしょうね。

DeepZenGOとの対局

DeepZenGOとの対局は、今日(11月20日)で第2局まで終わりました。

第1局は、趙治勲名人が勝ちはしたものの、対局後「相手の強さが分かった。分かっちゃったから、困った」というようなことを言っていました。

「困った」理由は明らかにしていませんでしたが、予想以上に相手(DeepZenGO)が強いことが分かり、もしかしたら自分は負けるかもしれない、ということを言っていたのかもしれません。

第2局は、DeepZenGOが勝ちました。趙名人は、「自分の碁がひどい。もう少し軽く打たなければならなかった。勝ちに行ってしまった」「1局1局、人間と打っているような気分になる。3局目はもう少しましな碁を打ちたい」と言っていました。

そして最後となる第3局は、11月23日に行われます。趙名人がDeepZenGOに勝つことができるかどうかも気になりますが、私は対局後に名人がどんなコメントをするのかが気になってます(楽しみです)。

まとめ

本記事では、コンピュータソフトのDeepZenGOと対戦している趙治勲名人について、

  • 趙治勲名人の経歴や戦績
  • 型破りともいえる性格や人柄

についてご紹介しました。

若いころの真面目な青年風の容姿から、都会に出てきた仙人のような風貌に様変わりした趙治勲名人。

私は碁についてはほとんど分かりませんが、ちょっとぶっ飛んだ趙名人が、なぜか素晴らしい人に思えてなりません。

「第2回囲碁電王戦」の第3局、結果を楽しみにしたいと思います。

コメント

コメント一覧 (4件)

  • 面白い記事ありがとうございます、殆どの書かれている事に同感です。
    趙治勲は誰から見ても(囲碁界の中では)凄い人です、数十年に1人しかいないような存在。
    だが、現役プロ棋士としてはピークを越えた事も間違いはありません。勝率、タイトル戦での実績等々全ては以前と比べてかなり下がっています。
    まだ上の方で戦っていますが、日本のプロ棋士の中ではトップから少しはなれづつ、本人もそれを認めっています。どんなぐらいかと言いますと恐らくベスト10には入っていません。厳しいように聞こえるかも知れませんが、事実には変わりはないです。
    そして、国際囲碁界ではこの10年(20年)日本のトップ棋士でも中々上に行かない、行けない事もあります。
    趙先生の世界ランキングは近頃調べてませんが、恐らく国際舞台ではベスト50には入っていない可能性が高いと思います。
    そして、何でこの様な文を書く事にしたかと言いますと、グーグル社開発のalphagoと李世ドル先生の企画では現役世界トップ棋士を用意したにもかかわらず、今回のDeepZenの対局は日本でも現役トップじゃない、世界囲碁界で尚更トップからほど遠いプロ棋士を用いた。残念で仕方無い。グーグルの企画と比べて今回は「サーカス的」な感じがします。何で現役トッププロを頼まなかったのか、さっぱり。今回のDeepZenと趙先生の対決、マスコミでは「世界一の囲碁ソフト」と「世界一のプロ棋士」などな言い方は記者として恥と思います。騒ぐば騒ぐ程良いとされているような多くの現代記事は本当に疲れる。そして、詳しくない人に間違った情報を与えり事にもなります。
    原点を元づいた記事が欲しいところです。
    1)alphagoは世界トップ5の中に活動しているプロ棋士を負かせた。
    2)李世ドルは現役トッププロ棋士。
    3)DeepZenはかなり有望な世界プロレベル囲碁ソフト、弱点はまだ多少あるように見られます。
    4)趙先生は30年程前李世ドルぐらいなプロ棋士でした。現在では日本のトップから少し、世界のトップから大分離れました。

    以上
    元聞観戦記ライター、日本棋院元院生)

    • 元院生さん

      コメントありがとうございます。

      日本棋院の元院生で、観戦記ライターでもあった方の、「専門家」からみ見た情報はとてもありがたいです。

      趙治勲名人の現在の実力は、以前よりもだいぶ下がってしまったのですね。

      DeepZenGOについては、AlphaGOに比べるとちょっと「弱い」印象が私個人的にはあります。「弱い」と言うより、まだまだ鍛え足りない、と言った方が良いかもしれません。

      マスコミとしては、ニュースとして広く話題になった方が良いため、あのような言い方で煽っているのでしょうね。

      元院生さん、どうもありがとうございました。

  • 私は、囲碁(六段)、将棋(初段)、コントラクトブリッジ、バックギャモンなどボードゲーム大好き人間です。

    治勲さんの人柄、実績は正確に述べられていると思います。
    しかし、現在の実力がおっしゃる通りだとしても、今回の3番勝負の意味が低くなるとは決して思いません。

    次の企画では、さらにランクが上のプロ棋士に挑戦してもらいたいです。

    また、以下のような企画はどうでしょうか?
    ソフトvsプロ棋士の対局だと、人間は疲れるため、時間に追われてのミスなどが時々出てしまいます。
    そして、ミスを人間が負けた時の言い訳に使うことはよくあります。

    そこで、PCのハード無制限vs複数プロによる合議制の勝負を提案したいと思います。
    合議制といっても、責任棋士を一人決めて、別の視点・うっかりミスの指摘を別の二人が行う。
    責任棋士はスマホで二人のアドバイスを見ながら打つ手を決める。
    責任棋士の名誉のため、検討内容(アドバイス)は非公開とする。
    アドバイスを受ける場合の持ち時間はプラス1分(仮)とする。
    こうすれば、ソフトの強さとプロ棋士の実力をより正確に比較することができると思います。

    将棋では、数年前の大晦日に、ソフトvs森下九段が「つぎ盤検討あり、1手15分」で対戦したことがあり、無勝負の結果で終わっています。さらに実験を行う前に、ソフトが棋士より強くなったのでそれ以降の企画は出ていませんね。

    • ボードゲーマーさん

      コメントありがとうございます。

      確かに、対局が長引くと、人間はどうしても疲れがでてきて、本来の力が出せなくなってきてしまいますね。

      コンピュータソフトの能力と人間の能力を競い合わせるという意味では、ボードゲーマーさんの仰るような対戦ルールも良いと思いますよ。

      ボードゲーマーさん、どうもありがとうございました。

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