【リオパラ五輪】道下美里は盲人マラソン女子初のメダル獲得へ！

道下美里（みちしたみさと）さん（39歳）を最初にみたとき、なんと笑顔の素敵な女性なのだろうと思いました。

実はネット上でも「かわいい」と評判であることは後で知ったのですが、見た目も気持ちも非常に若々しい生気に満ち溢れている、そんな印象を持ったことを覚えています。

小柄な道下さんは、ピッチ走法で有名なあの高橋尚子さんをも上回るハイピッチな走りで金メダルを目指してリオを走ります！

マラソンへの道

道下美里さんは、中学2年生のとき角膜の病気（膠様滴状角膜ジストロフィー）で右目を失明しました。

その後残る左目を頼りに、短大を卒業し、レストランを経営することを夢見て調理師免許も取得します。

ところが25歳のときに、左目も同様の病にかかり、視力が0.01以下に落ちてしまい失明同然となってしまいます。

膠様滴状（こうようてきじょう）角膜ジストロフィーとは: 遺伝による病気で、角膜近くに異常蛋白が沈着し、目は乳白色で半透明に濁ったようになります。初期のころから目に痛みを感じたり、涙が流れ続けたりし、強いまぶしさを感じることもあります。
原因となる遺伝子は特定されていますが、まだ治療法は開発されていません。

眼が良くなるのであればと思い、良い医師がいると聞けば、東京、名古屋、九州にまで出かけたそうです。（道下さんは山口県の出身です）

夢が断たれてしまった道下さん。

道下さんの実家は本屋さんなのですが、その手伝いをすることもできず、ずっと家に閉じこもっていることが多くなりました。

その後、引き籠りが原因で増えてしまった体重を減らすため、ダイエット目的でマラソンを始めることになります。

2006年にはジャパンパラリンピックで視覚障害T12クラスにおいて日本記録を樹立、2007年にはIBSA世界選手権（ブラジル）でも1500mで5位に入賞するなど、着実にレベルアップしていきます。

そして、2008年31歳のころからフルマラソンに挑戦するようになり、2014年には2時間59分21秒という世界記録（当時）を樹立します。

フルマラソンを始めてから、わずか6年後に世界記録なんて凄すぎます！

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目が見えませんので、当然ながら道下さんひとりで走ることはできません。

道下さんを助けよう、応援しようという人たちが集まり、それは「チーム道下」という応援団となりました。

応援団の人たちは基本的にボランティアで、道下さんのレースがあるときは会社を休んでサポートにあたるそうです。

今回のリオ大会でも道下美里さんをサポートするためにチーム道下の方々はリオデジャネイロに行っています。

リオでの道下美里さんの様子やチーム道下の活動は facebook で公開されていますのでぜひご覧になってください。

目の見えないランナーとともにレースを走る人を伴走者と呼び、ランナーと伴走者とは赤い50㎝ほどの「絆」と呼ばれるロープでつながれています。

ランナーは伴走者からタイムやコースの曲がり具、路面の状況などを聞きながらレースを走ることになります。

伴走者がどれだけ正確にランナーが必要としている情報を伝えられるか、またどれだけランナーから信頼されているかによって記録は大きく左右されます。

時にはランナーを『頑張れ！いけるいける！もう少しっ！』などと激励するように声をかけることもあるようです。

チーム道下所属の伴走者は10人ほどいて交代で協力しているといいます。これまで多くのマラソン大会で道下さんとともに走り、好成績を収めてきている方々ばかりですので、チームワークの方はきっと大丈夫ですね！