上高地公園線が開通しました(4/17)!

上高地線は運賃が高い?お得に利用するには回数券がベスト?

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アルピコ交通上高地線は総路線距離14.4kmの鉄道。松本からバスターミナルのある新島々へ向かうこの路線は、私たち信州を愛する者にとってはとても重要です。

でも、上高地線は運賃が高い!と言われており、ちょっと心外な気持ちもあります。そこで、本当にそんなに言われるほど高いのか調べてみました。また、少しでもお得に利用する方法もチェックしてみました。

目次

上高地線の運賃が高めなのは本当だった

上高地線の運賃を、よく日本一運賃が高いと言われる北総公団線や観光地を走る他の鉄道と運賃を比べてみました。

北総公団線との比較

上高地線の運賃を、日本一運賃が高いと言われる北総公団線と比較し、『ほらこんなに高いでしょう?』的な記事を見かけますよね。

路線初乗り運賃14.4kmでの運賃
北総公団線210円650円
上高地線180円710円
北総公団線と上高地線の運賃比較(2021年4月現在)

確かに、「松本〜新島々」間の距離、14.4kmでの運賃を比較すると、上高地線の運賃の方が高いです。

北総公団線は沿線住民の生活を支える路線。一方、上高地線はもともとは観光地「上高地」の開発のために作られ、今も観光客の足としての利用が収入の約半数以上を占める路線。

利用目的が違うので、単純な比較してはいけないのでは?と思い、観光地を走る他の鉄道とも比較してみました。

観光地を走る他の鉄道との比較

比較したのは、千葉の銚子電鉄といすみ鉄道、栃木の真岡鐵道です。

路線初乗り運賃14.4kmでの運賃
上高地線180円710円
銚子電鉄180円※790円
いすみ鉄道190円480円
真岡鐵道190円560円
観光地を走る鉄道と上高地線の運賃比較(2021年4月現在)

銚子電鉄の運賃は、総路線距離が6.4kmのため、6.4kmでの運賃から計算で14.4kmの運賃を求めています。

確かに、上高地線は少し割高ですね。

銚子電鉄の運賃は「もしその距離に駅があったら」ということで計算して求めた額です。また、ご存知のように銚子電鉄は赤字経営が続いている会社でもあります。なので、同列に比較することは無理があるかもしれませんので、参考程度に見てもらえればと思います。

運賃が高い理由は?

やはり、上高地線を運営しているアルピコ交通の経営状況が芳しくないことが上げられるでしょう。

アルピコ交通の前身である松本電鉄は、2007年(平成19年)に経営に行き詰まり、翌年から抜本的な事業再生が始まります。関連会社の統廃合を行いながら、経営の立て直しを図る中、松本電鉄自身も2011年(平成23年)に商号をアルピコ交通に変更しました。

その後は、最近の業績をみても順調に回復し続けているとは言えない状況が続いており、負担の大きいとされる鉄道事業は公共性もあるため、路線廃止も含めた思い切った対策がとれないため、現状維持という選択肢しかないようです。

上高地線だけでなく長野県内の鉄道利用者は年々減少を続けています。イメージキャラクターの設定など、お客さんを呼び込む対策は行っていますが、なかなか思うように利用者が増えるところまでいっていません。

もしかすると、そう遠くない将来にアルピコ交通上高地線が廃止される、という可能性もあるということを覚悟しておいた方が良いかもしれません。

昨年度(2020年度)の利用客が過去最小に

2021年5月20日、また心配なニュースが流れています。

5月19日、アルピコ交通によると、上高地公園線の昨年度の利用客数は、昭和38年(1963年)以降で最小となったとうことです。

利用客が減った理由は、コロナ禍の影響で学生の通学利用が、前年度に比べ約34%も減ったことがいちばん大きいと言えます。また、通学定期以外の利用(おもに観光客の利用)も約48%も減少しており、上高地公園線の厳しい状況が見てとれます。

通学利用が、利用者の60〜70%を占めるという上高地公園線。いまだ第4派から脱しきれない国内の状況を見ると、早い段階の利用客の増加は望めないでしょう。

さらならる経営悪化を招き、運賃の値上げとならないよう願うしかありません。

コロナ禍が落ち着いたら、私も上高地にこれまで以上足を運ぶ予定ですので、最悪の事態(廃線)とならないことを切に願いたいと思います。

上高地線をお得に利用するなら回数券

調べた範囲では、上高地線をお得に利用できるのは、つぎの2つだけのようです。

  • 回数券
  • ふれあいデー乗車券
  • 上高地線電車わくわく一日フリー乗車券

回数券は11枚綴りが10枚分の金額で

回数券は、11枚綴りの乗車券が10枚分の金額で買えるもの。回数券1枚の金額は、たとえば「松本〜新島々」間だと、646円となります(通常710円)。

ひとりで使うには買った区間を5往復以上利用しないとお得になりません。有効期限は3か月なので、旅行者が使い切るのはなかなか大変です。

グループで利用する場合でも、回数券を余らせることなく使い切らないと、お得にならないので、いろいろ調整が難しそうですね。

回数券は、次の場所で購入できます。

ふれあいデー乗車券は水曜日のみ

6枚綴りの乗車券が5枚分の金額で購入できる乗車券セットなのですが、利用できるのが水曜日だけという、ちょっと変わった条件があります。乗車券1枚あたりの金額は、「松本〜新島々」間では592円となります。

ふれあいデー」とは、長野県が公共交通機関の利用促進のために設定しているもので、水曜日はJRを含めたバス・鉄道会社の回数券や乗車券がお得に購入できます。

旅行者をターゲットにしたものではないため、利用できるのが曜日限定なのは、旅行者から見ると有効利用がちょっと難しそうですね。

わくわく一日フリー乗車券

1日限り、上高地線の駅の乗り降りし放題という乗車券です。1枚1,420円(大人)なので、ちょうど「松本〜新島々」間の往復分の料金と同じです。

この乗車券があると、上高地線沿線のお店や施設でドリンクサービスがあったり特別な割引があったり、という特典もあります。

複数の駅を乗り降りして上高地線沿線を楽しむのには、非常にお得な乗車券と言えると思います。

まとめ

「上高地線の運賃は高い」という話が本当にそうなのかを調べてみたところ、やはり割高でした。

アルピコ交通にとっては、利用者が減り上高地線を維持していくだけでも大変な状況です。運賃が高いことを嘆くよりも、毎年値上がっていないことに感謝したほうが良いかもしれませんね。

もっと多くの旅行者が長野県を訪れ、鉄道やバスを利用するようになってくれると良いのですが。

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