衝撃的なニュースが飛び込んできました。
北朝鮮の故金正日(キム・ジョンイル)氏の長男で、金正恩(キム・ジョンウン、33歳)最高指導者の異母兄弟である金正男(キム・ジョンナム、45歳)氏が暗殺されたというのです。
詳細は不明なとこもありますが、現在、分かっている情報をまとめてご紹介しましょう。
金正男氏の長男の金漢率氏の行方不明や家族の安否について、よろしかったら次の記事もお読みください。
[clink url=”https://topiclouds.net/politics/kim-han-sol-the-eldest-son-of-kim-jong-nam-is-missing/”]
また、実行犯とされる女性2人については、こちらもどうぞ。
[clink url=”https://topiclouds.net/politics/woman-who-assassinated-kim-jong-nam/”]
金正男、暗殺される(?)
暗殺の状況
韓国のKBSニュースよると、「金正男氏は、13日、滞在しているマレーシアで女性2人によって殺害された」、ということです。
容疑者である女性2人は金正男氏を殺害したあと、13日に午前中にマレーシアのクアラルンプール空港からタクシーに乗って逃走したとい伝えられています。
暗殺を指示したのは誰? その理由は?
金正恩氏であるとの報道が流れていますが、まだ確定したわけではないようです。
しかし、金正恩氏が最高指導者の地位に就いた2012年に、金正男氏へのテロ指令(暗殺の事ですね)を受けた北朝鮮の工作員が、韓国内で逮捕されるなどしていることから、おそらく金正恩氏の指示によるものだと思われます。
暗殺の指示をしたのが金正恩氏だとすれば、その理由はなんでしょうか?
もっともありそうなのが、金正男氏が邪魔であったから、という理由です。
儒教思想を尊ぶ北朝鮮では長男が後継者とされてきました。
金正男氏は長男ですが、父である金正日氏の成恵琳氏との略奪愛の結果に生まれた子どもであるため、後継者となることは難しいと言われていました。
そして実際に、三男である金正恩氏が後継者となった訳ですが、完全に後継者問題に片が付いたとは言えず、いつまた後継者問題が蒸し返されるか分からない状況を憂慮して、金正男氏を亡き者にしたのではないか、という可能性もあるのです。
ちなみに、次男の金正哲氏も健在ですが、彼は政治に興味がなく役職もないようで、関心は音楽に向いており、ギタリストでもあるようです。このため、後継者問題ではあまりクローズアップされていませんが、金正哲氏にも魔の手が伸びる可能性がまったくないとは言い切れません。
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金正男は何をしていたのか?
金正男氏は北朝鮮内では、コンピュータ委員会委員長を務め、コンピュータやソフトウェア関連の仕事に従事したと言われています。
2007年以降は、マカオ(中国の特別行政区)に滞在するなど、北朝鮮国外での活動が主になっていたようです。
実際にどんな活動をしていたかは明らかにされておらず、表向きには、マカオの高級ホテルでヨーロッパの高級ブランド品などのショッピングを楽しんでいるという報道があるくらいです。
金正男氏は中国政府から支援されていたと見られ、金正恩体制が成立して以降は、金正男氏を守ろうとする中国政府と、身柄の引き渡しを要求する北朝鮮との間で問題が発生していたことがあったようです。
悪い方向へ転がり落ちて
先日の弾道ミサイルの発射など、北朝鮮は世界(実際には米国)に対して挑発的な行動をとりづけています。
北朝鮮に対する国連での制裁決議が採択されなど、北朝鮮に対する風当たりはますます強くなっている中での、今回の暗殺事件が起きました。
北朝鮮への各国の非難に対して反発する意味も込めて、この時期に暗殺を決行した可能性もあります。
北朝鮮が、悪い方向へ、悪い方向へと坂道を転がり落ちていくように見えるのは気のせいでしょうか?
米国は北朝鮮に対して「強い態度」で臨むことを明言しています。「強い態度」には武力による先制攻撃も含みます。
多くの死者が出る「戦争」だけはなんとか避けて欲しいものです。
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