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さくらさんの「上高地フィールドノート」のレビュー

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ネイチャーガイドFIVE SENSEのさくらさん(山部茜さん)が、新しいスタイルの上高地のガイドブック「上高地フィールドノート」を出版されました。

早速、購入して読んでみましたので、内容のご紹介と感想などを綴ってみようと思います。

目次

「上高地フィールドノート」の内容

内容は大きく3つのパートに別れています。

  1. NOTE ONE じっくり歩く
  2. NOTE TWO 花鳥風月を楽しむ
  3. NOTE THREE 上高地の基本

順に、かんたんにご紹介しましょう。

NOTE ONE じっくり歩く

上高地を大きく5つのエリアに分け、それぞれのエリアを結ぶ4つの散策路について解説があります。

5つエリアはそれぞれ特徴があり、楽しみ方もそれぞれ。「上高地フィールドノート」はエリアごとの特徴にもとづいて見どころを写真付きで解説しています。これは外せないという定番的なコース解説だけでなく、知っておくとより散策が楽しめる情報も解説されていますので、何度も読み返して自分の知識として身に付けてしまいたいところです。

4つ散策路以外にも岳沢湿原や小梨平など人気のエリアが独立して取り上げられており、他のコースに組み入れるなどして散策の幅を広げることもできます。

散策路の解説ページの最初には、コースの長さや歩くのにかかる時間が目安として記載されており、自分の体力や旅行のスケジュールに合わせた散策路の選択ができるようになっています。

また、

  • 景観の素晴らしさ
  • 休憩所(ベンチ)の有無や多さ
  • 花や鳥を楽しむのに適しているか

について、△、◯、◎といった記号で評価が記載されているので、目的に合わせたコース選びもできるようになっているのも嬉しいところです。

花鳥風月を楽しむ

四季を通じて上高地の自然を楽しむための解説です。

上高地から眺めることのできる山々、上高地で見ることのできる植物、昆虫、出会うことのできる動物について、こちらも写真付きで解説があります。

動植物の写真はいずれも特徴のよく分かるものが掲載されており、このフィールドノートが一冊あれば他に図鑑は必要ないくらいに充実しています。

上高地の基本

上高地の散策の仕方や楽しみ方とは別に、上高地がどういう所なのかについての解説があります。

  • 観光地としての上高地
  • 上高地がどうやってできたか(地質学的な話と開発の話)
  • 上高地を利用するために知っておくべきルール

「ルール」というと堅苦しく面倒なもの、という印象を持ってしまいがちですが、さくらさんならではの分かりやすい解説です。

また、上高地についてのよくある質問に対する回答なども掲載されています。

  • 上高地に温泉はあるの?
  • 上高地のトイレ事情は?
  • 荷物を預けられる場所は?
  • etc.

「上高地フィールドノート」の感想

読んでみて感じたことは、

見ていて楽しくなるガイドブック

だな、ということです。おそらく次のような特長からそう感じるのでしょう。

  • 豊富な写真と大きなイラスト地図
  • ポイントを押さえた解説

豊富な写真、大きなイラスト地図

写真集かな?と思うくらい、上高地の美しい写真がふんだんに使われています。文章を読まずに、ただページをめくっているだけでも十分楽しめるほどの写真が多いです。

散策路の解説ページにある地図は1ページ全体を使って大きく描かれており、とても見やすい。ガイドブックの地図によくある道や地形のデフォルメ(変形)がなく、実際の梓川や遊歩道をそのままイラストにしているため、自分の居るところを確認しながら上高地内を散策するときに大いに役立つものと思います。

ポイントを押さえた解説

見どころや動植物などの解説はポイントを押さえた短めの文章で構成されており頭にスッと入ってきます。短いと言っても物足りなさを感じることはなく、「必要にして十分」な情報が盛り込まれています。

もっと、深く知りたいと思う人は、奥付(一番最後のページ)に参考文献のリストが掲載されていますので、こちらを参考にすると良いでしょう。

さくら(山部茜)さんてどんな人?

五千尺ホテルに本拠地を置く「上高地ネイチャーガイド FIVE SENSE(ファイブセンス)」の現場責任者を務めていらっしゃるのがさくらさんこと山部茜(やまべあかね)さんです。

上高地でガイドを始めて15年目になるという、ネイチャーガイドのスペシャリストです。私を含む登山仲間の間では、敬意を込めて「さくら隊長」と呼ばせてもらっています(ご本人は知らないことですが)。

上高地に関する知識が非常に豊富な方で、動植物や昆虫、気象、地質、地形、歴史… 上高地のことなら何でも知っていると言って良いのではないでしょうか。これは勉強家と言いますか、ネイチャーガイドという仕事に非常に熱心であるからこその結果なんだと思います。

とても実直な人という印象があり、これは講習会で講師としてお話しているときや、ガイドをお願いしたときの電話での応対から受けた「感じ」です。

私はまださくらさんにガイドをしていただいたことはないので、今後そういう機会に恵まれたときに、もしかしたら印象が変わるかもしれませんが。

さくらさんは上高地のネイチャーガイドとして、すでにテレビや新聞など多くのメディアに登場していらっしゃいます。今回の「上高地フィールドノート」の出版でさらに大きな注目を集めそうな気がします。

有名になりすぎることでネイチャーガイドとしての仕事に支障が出ないかという心配が少しありますが、今後もさくらさんの「上高地好きを増やす」活動を応援していきたいと思います。

まとめ

これまでに何冊もの上高地のガイドブックというものを読んできましたが、これほど多くの写真が使われているガイドブックは初めてです。見ていて飽きません。

ページ数は85ページと決して多くありませんが、このガイドブックを読んではじめて知ったこともあるくらい内容は充実しています。

上高地に行ってみたい、まだ数回しか行ったことがなくもっと上高地を楽しみたいという「上高地の初心者」に向けたガイドブックですが、すでに上高地は楽しみ尽くしたと思っている人にもぜひ読んでもらいたいガイドブックです。

今年の上高地は「上高地フィールドノート」を手に散策を楽しんでいる人たちが見られるかもしれませんね。

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